グルッペ通信「くらしのレシピ」2013年4月号

日々の暮らし4月先月は出し汁でしたね。 出し汁と言ったらまずは味噌 汁ではないでしょうか。 日本人にとって味噌汁は、ご飯 と共に基本的な食事のあり方と 思われます。味噌の原型は中国から渡来したものですが、平安時代を経て鎌倉時代の一汁一菜という食事形態により、味噌汁が完成しました。その栄養価は非常に優れており、味噌に含まれるタンパク質とその構成成分のアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類が豊富なため、粗食だった日本人は味噌汁に大いに助けられたことでしょう。
しかし、食の多様化や米離れ、減塩志向による現代では、あまり味噌汁を食べない風潮になっているようです。特に、減塩については病気以外の人でも減塩していることが多く、逆効果になっている場合もあります。そこで、味噌汁の塩分を調べてみるとお椀一杯で約1.5gですが、海藻や野菜を入れることでそのカリウムが塩のナトリウムを排出してくれるため、具沢山にすると塩分はもう少し低い値になります。是非、カリウムの多い芋類・緑黄色野菜・きのこ類・豆腐・海藻類を味噌汁の具に使うことをおすすめします。春には、香りがごちそうの山菜類や葉物類が出始めるので、出し汁は昆布ダシにして味噌も薄め加減にしてもいいですね。また、山椒粉や七味唐辛子、柚子胡椒、わさび、辛子、ラー油など香辛料を吸い口にほんの少し加えても味のアクセントになります。作り方も豆腐を崩したり、長芋や大根などをすりおろしたり、味噌と胡麻をすり鉢ですって味噌汁にしたりと様々に工夫するのも楽しいですし、美味しくできますよ。日本人の身体を支えてきた味噌汁を、せめて一日一杯はいただきたいものです。

                         やおやの料理教室、講師 羽多としえ

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