カテゴリー別アーカイブ: 暮らしのレシピ

グルッペ通信「暮らしのレシピ」7月号

暮らしのレシピ梅雨の蒸し暑さや夏の猛暑は、身体にかなりのダメージを与えますね。特に高温に湿気がプラスされると、身体が重たくなってだるさを覚えたりします。このような時は、とにかく身体から余分な水分を排出することが先決です。そこで、むくみとりの効果が大きい冬瓜をとりあげ、効用と料理法を紹介いたします。
冬瓜は、冬の字が使われていますが旬は夏です。丸ごとなら冬まで保存できるために冬瓜と名付けたようです。効果は利尿作用によるむくみ取りと暑気あたり、頻尿、口の渇きによく、身体の熱を冷ましてくれます。冷やす作用があるため、冷え性の場合は摂り過ぎに注意してください。
冬瓜は、まず種の部分を包丁で切り取り、適度な大きさに切って白い果肉まで皮をむき、皮目は硬めなので格子状にかくし包丁を入れます。それを出し汁で煮て酒やみりん、醤油で味付けし、最後に葛や片栗粉でとじてとろみをつけます。冬瓜そのものは淡白な味なので、だしに貝柱や干しえびなどとよく合います。冬瓜はすぐに煮えて軟らかくなるので、5分ほどしたらチェックしてみてください。また、短冊か千切りにして塩でもみ、よく絞ってサラダにしても美味しいです。さらに、角切りを一旦茹でこぼしてから、甜菜糖などを加えて蜜煮にし、最後にレモン汁を少々たらすとすっきりとしたデザートにもなります。それから、皮を捨てずに5分ほど煮出すと利用作用のあるお茶にもなります。こうしてみると丸ごと使える優れものですね。
それから、冬瓜はそのまま冷蔵庫で保存するよりも、お料理にしてから保存した方が日持ちします。これから暑さが増してくるので、冬瓜を使って暑熱を取り去り、身体をケアしましょう。

やおやの料理教室、講師 羽多としえ

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グルッペ通信「日々の暮らしレシピ」6月号

暮らしのレシピ今回は、人が生きていくうえで欠かせない塩について取り上げてみます。現代では、生活習慣病やその予防として減塩を推奨する風潮があり、病気でなくても減塩が
あたりまえのようになっています。本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
血潮というように、血液や体液と海水に含まれるミネラル成分比はほぼ同じであるため、自然海塩の摂取は必要であると同時にむやみに減らさない方がよいと思われます。塩でも化学塩は、元々工業用に開発されたものを食用にも使うようになったのですが、その成分はナトリウムが 99.999・・%でミネラル分はありません。このような化学塩を日常的に使ったら身体のバランスを崩すかもしれませんね。つまり、身体に必要な塩とは自然海塩のことです。もちろん、病気の症状によっては塩分を制限される場合もあるので一概には言えませんが。

あら塩料理では、塩は必ず使いますね。味が決まらないとき、最後にひと塩加えるだけでグッと味が締まります。それに、野菜の甘味を引き出したりアクを飛ばしてくれたり、全体の味のバランスを調整し
てくれたりと万能な働きをしてくれます。また、野菜のカリウムは余分なナトリウムを排出してくれるため、料理に野菜をたっぷり取り入れると塩の取り過ぎにもなりません。
昔から、青梅に塩で梅干を作り、魚に塩で魚醤を作り、味噌や漬け物を作るなど、人は塩の恩恵にあずかってきたのです。
だから、素材から料理する場合の塩は安心して適量使ってください。現代で塩分に注意するのは、かまぼこやハム・ソーセージなどの加工品です。食材表示を確認のうえ塩を加減するとよいでしょう。
いずれにしても塩を必要以上に恐がらず、自分自身や家族の体質をみて適度な量をお使いください。

(やおやの料理教室、講師 羽多としえ)

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グルッペ通信「くらしのレシピ」2013年4月号

日々の暮らし4月先月は出し汁でしたね。 出し汁と言ったらまずは味噌 汁ではないでしょうか。 日本人にとって味噌汁は、ご飯 と共に基本的な食事のあり方と 思われます。味噌の原型は中国から渡来したものですが、平安時代を経て鎌倉時代の一汁一菜という食事形態により、味噌汁が完成しました。その栄養価は非常に優れており、味噌に含まれるタンパク質とその構成成分のアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類が豊富なため、粗食だった日本人は味噌汁に大いに助けられたことでしょう。
しかし、食の多様化や米離れ、減塩志向による現代では、あまり味噌汁を食べない風潮になっているようです。特に、減塩については病気以外の人でも減塩していることが多く、逆効果になっている場合もあります。そこで、味噌汁の塩分を調べてみるとお椀一杯で約1.5gですが、海藻や野菜を入れることでそのカリウムが塩のナトリウムを排出してくれるため、具沢山にすると塩分はもう少し低い値になります。是非、カリウムの多い芋類・緑黄色野菜・きのこ類・豆腐・海藻類を味噌汁の具に使うことをおすすめします。春には、香りがごちそうの山菜類や葉物類が出始めるので、出し汁は昆布ダシにして味噌も薄め加減にしてもいいですね。また、山椒粉や七味唐辛子、柚子胡椒、わさび、辛子、ラー油など香辛料を吸い口にほんの少し加えても味のアクセントになります。作り方も豆腐を崩したり、長芋や大根などをすりおろしたり、味噌と胡麻をすり鉢ですって味噌汁にしたりと様々に工夫するのも楽しいですし、美味しくできますよ。日本人の身体を支えてきた味噌汁を、せめて一日一杯はいただきたいものです。

                         やおやの料理教室、講師 羽多としえ

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