グルッペ通信「日々の暮らしレシピ」6月号

暮らしのレシピ今回は、人が生きていくうえで欠かせない塩について取り上げてみます。現代では、生活習慣病やその予防として減塩を推奨する風潮があり、病気でなくても減塩が
あたりまえのようになっています。本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
血潮というように、血液や体液と海水に含まれるミネラル成分比はほぼ同じであるため、自然海塩の摂取は必要であると同時にむやみに減らさない方がよいと思われます。塩でも化学塩は、元々工業用に開発されたものを食用にも使うようになったのですが、その成分はナトリウムが 99.999・・%でミネラル分はありません。このような化学塩を日常的に使ったら身体のバランスを崩すかもしれませんね。つまり、身体に必要な塩とは自然海塩のことです。もちろん、病気の症状によっては塩分を制限される場合もあるので一概には言えませんが。

あら塩料理では、塩は必ず使いますね。味が決まらないとき、最後にひと塩加えるだけでグッと味が締まります。それに、野菜の甘味を引き出したりアクを飛ばしてくれたり、全体の味のバランスを調整し
てくれたりと万能な働きをしてくれます。また、野菜のカリウムは余分なナトリウムを排出してくれるため、料理に野菜をたっぷり取り入れると塩の取り過ぎにもなりません。
昔から、青梅に塩で梅干を作り、魚に塩で魚醤を作り、味噌や漬け物を作るなど、人は塩の恩恵にあずかってきたのです。
だから、素材から料理する場合の塩は安心して適量使ってください。現代で塩分に注意するのは、かまぼこやハム・ソーセージなどの加工品です。食材表示を確認のうえ塩を加減するとよいでしょう。
いずれにしても塩を必要以上に恐がらず、自分自身や家族の体質をみて適度な量をお使いください。

(やおやの料理教室、講師 羽多としえ)

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